●自動車共済の制度改訂の背景について

 国公共済会が自動車共済共同組合と契約している国公共済会の自動車共済制度について、2007年10月1日より一部改正を含め掛金の2.42%の引き上げが自動車共済協同組合から通知されました。
 自動車共済協同組合の自動車共済制度は、中小企業等協同組合法に基づくものであり、直接は中小企業庁の管轄ですが、金融庁からの強い指導と監督により保険業法並みに規定が強化されたためと自動車共済共同組合は説明しています。
 ご存知のとおり保険業法の「改正」目的は、「オレンジ共済」事業に代表される『共済の名を騙る悪徳保険業者』の取り締まりだったはずのものが、マーケット拡大をねらう米保険業界などの思惑に沿って議論のすり替えがおこなわれ、健全に運営されている全ての共済に影響が及んでいます。
 中小企業等協同組合法も、この流れを受けて2007年4月1日に改正(自動車共済協同組合については、中小企業庁と金融庁の調整がずれ込み実施は2007年10月1日から)がおこなわれました。その目的は、@中小企業組合の運営に関する制度の全面的な見直し、A共済事業の健全性を確保するための新たな制度の導入であり、具体的な共済事業に係る諸規制として、区分経理、責任準備金等に関する規定の整備および余裕金の運用制限などが盛り込まれています。
 今回の改正にあたり労働共済連は、全国5つの自動車共済協同組合と話し合いを持ちましたが、そのなかで監督官庁でもない金融庁が準備金の早急な積み増しを要求(この準備金の積み増しが掛金引き上げの大きな要因)していることが明らかになりました。一連の中小企業等協同組合法「改正」に至る経過と自動車共済協同組合に対する指導内容は、在日米国商工会議所が2003年9月から度重なる意見書で要請(「共済と民間保険との間に規制面で平等な競争環境を確立するよう」)してきたことの反映であり、日本政府の対米追従の姿勢の結果であることは明白です(詳しくは『国公共済会だより』2007年9月号を参照して下さい)。